「リアル」親友を蝕んだ怪異の真実 | 「してはいけないこと」が招く終わらない絶望

怖い話

世の中には、軽い好奇心で足を踏み入れてはならない領域が存在します。これは、ある悪ふざけから始まった、決して終わることのない恐怖の記録です。あなたが今見ている日常も、一瞬の過ちで崩壊するかもしれません。

体験談

23歳のTには、東北出身でオカルトに詳しい同期の〇〇がいた。8月初め、Tは〇〇とナンパした女性たちと心霊スポットへ行くが、その時は何も起きなかった。しかし3日後、Tは帰宅後に鏡の前で〇〇から聞いた禁忌「深くお辞儀したまま右を見る」を試してしまう。すると部屋の中央に、髪で顔を覆い、お札を貼り、白い死に装束をまとった異形が現れた。Tは恐怖で逃げ出し、翌朝戻ると怪異は消えていたが、悪臭の泥が床と自分の手に付着していた。

Tは〇〇に相談し、〇〇は怯えながらもTの部屋を確認した後、地元の知人を通じて「強い人」を紹介すると言う。しかし費用は50万円。さらに翌日現れた霊能者・林は「危険だから200万円必要」と要求。除霊が始まるが、Tが目を開けると、林の目の前にあの怪異が正座し、林の耳元で囁いていた。林は涎を垂らしながら頷き、やがて逃げ出した。林は詐欺師で、怪異に魅入られて狂ったのだ。

精神的に限界を迎えたTは埼玉の実家へ逃げるが、首に縄で締められたような痛みが走り、湿疹が浮かぶ。ちょうどその時、長崎の祖母から「寺の尼僧・S先生がTの危険を感じ取った」と連絡が入る。Tは長崎へ向かい、S先生に会うと心が落ち着いた。しかしTが怒りを爆発させた瞬間、左耳に「ドォ~ドォルルシッテ」と奇妙な声が響き、怪異が現れて顔のお札をめくろうとする。S先生が手を叩いて追い払った。

Tはその後、宗派の本山で5ヶ月の修行を受け、ようやく落ち着きを取り戻す。帰宅すると〇〇から大量の着信があり、Tを心配して何度も実家に来ていたという。Tは怒りから〇〇を殴るが、和解した。Tはその後もS先生のもとへ通い、ようやく「もう大丈夫」と言われたが、3ヶ月後にS先生は他界した。

二ヶ月後、祖母からS先生の遺言が届く。そこには衝撃の告白があった。

『Tちゃんが連れていたものは、先生の手に負えないほど恐ろしい存在。本当は全く安心できる状態ではなかった。あれは人をゆっくり苦しめ、絶望する姿を笑う“本物の悪霊”。先生はTちゃんを落ち着かせるために嘘をつき続けていた。気を緩めた瞬間を、あの子は待っているかもしれない。』

Tは再び恐怖に襲われる。 本当に終わったのか? 怪異は今もどこかで自分を見ているのではないか?

そして物語の最後、語り手は告白する。

「この話には小さな嘘がある。もっと根本的な嘘もある。気付かれなきゃいいと思っていた。……俺は〇〇だよ。」

Tの体験談として語られていた全ては、実は〇〇自身が書いたものだった。怪異を呼び寄せ、偽霊能者を紹介し、Tを追い詰めた張本人――その〇〇が、罪悪感に苛まれながら語っていたのだ。

なぜこの場所・現象が怖いのか

この現象が真に恐ろしい理由は、人間の善意や救済のシステムすらも嘲笑う「絶対的な悪意」にあります。高徳な尼僧であるS先生が命を賭して行った供養すらも、怪異にとっては「獲物が安心するのを待つための時間稼ぎ」に過ぎませんでした。
さらに最も深い恐怖は、物語の最後に明かされる叙述トリックにあります。これまで被害者だと思っていた語り手が、実はすべての元凶である「〇〇」だったという結末は、読者の前提をすべて覆します。
〇〇がTのフリをしてこの体験談をネットに書き込んだということは、本物のTはすでに正気を失ったか、あるいはこの世にいない可能性を示唆しています。〇〇は自責の念と、次に自分へ向かうかもしれない怪異の視線に怯えながら、誰かにこの「してはいけないこと」の顛末を聞いてほしかったのでしょう。怪異の呪いは、関わった者すべてを逃がさないのです。

まとめ

日常の裏側に潜む「してはいけないこと」の境界線は、私たちが思うよりもずっと脆いものです。
この物語が示したのは、一度怪異に魅入られてしまえば、どれほど強力な救いを求めても、すべては絶望を引き延ばすための嘘に過ぎないという残酷な現実です。
今、あなたの後ろに漂う気配は、本当にただの気のせいでしょうか。
誰かが「もう大丈夫」と言ったとしても、それはあなたを油断させるための罠かもしれません。

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。


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